無料なのに効果的な基本英単語リストのまとめ

英語の勉強を始めたばかりの人や、
久しぶりにやり直し始めた人が単語を学ぶ際には、
Duo 3.0のような単語帳に載っている中級以上の単語を学ぶ前に、
まずは試験で使われる英語だけではなく、
一般に使用されている英語の中で頻出で重要な単語から学ぶべきです。

そのような重要基礎単語をまとめたリストが、
既に英語圏の言語学の研究者などにより数多く作成されています。
今回は、その中でも特によく知られており、
収録されている単語も実際に有用で
なおかつ英語を学び始め・学び直しの人向けである
以下の4つのリストをご紹介します。

(リンクをクリックすると、このページ内の
各単語リストの説明の項目へジャンプします。)

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これらの単語リストは、試験勉強のために使うような単語帳とは違い、
よく使われる単語をほぼ頻度順に並べただけのリストです。
(中にはNGSLのように日本語訳付きのものもあります。)

そのため、これらをそのまま新しい単語を覚えるための学習に使うのは、
あまり適しているとは言えません。

ただ、これから自分が英単語を学び始めるにあたって、
どのような単語をまずは学んでいくべきかの目安になります。
また、学び直しの方の場合も、
基礎となる単語をどれくらいまだ覚えているのかを
ざっとチェックするためのよい参考&ツールとなります。

また、教育者や教材制作者にとっても、
教えるべき単語を選定する際に非常に参考になるリストです。
(実際に、GSLとAWLは多くの教材の単語選定に
影響を与えてきました。)

「逆転英語ガイド」が英語学習の「基礎」ステージ
学んでおくべきと考える基礎単語も
これらのリストを参考に選ばれています。

今後、このサイトで単語学習の話しをする際にも、
再びこれらの単語リストについて触れていくこともありますので、
そのような話の前提としても
ここで説明させていただきたいと思います。

あと一つお断りしておきますと、このページ内での説明は、
できる限り分かりやすくなるようにこころがけていますが、
それぞれの単語リストの説明の詳細リンクの先の説明は、
かなり専門的な説明を含んでおりますので、
他の「逆転英語ガイド」の記事のトーンとは
だいぶ異なっておりますので、
資料的なページとしてお読みいただければ幸いです。

単語リストの紹介

Ogden’s Basic English Word List

概要

Ogden’s Basic English Word Listとは、
英国の言語学者であり哲学者でもある
Charles Kay Ogden(チャールズ・ケイ・オグデン)によって
1930年に発表された、「Basic(基本)英語」という
国際言語として普及させるために簡略化した英語を
成立するために厳選された850の単語のリストです。

厳選されているために、どの単語も重要なのはもちろん、
他の表現の言い換えをする際にも使いやすい単語、
そして使い方の習熟にも労力を伴う単語が多いのが特徴です。
(また、最小限の単語数にするため、canやemptyなどの
超基礎単語でも他の単語で言いかえられるものは省略されています。)

(更なる情報については、
「Ogden’s Basic English Word Listの概要と収録単語」)
をご覧ください。)

単語リスト & 関連サイト

GSL (General Service List)

概要

GSL (General Service List)とは、
英語の学習者が始めに覚えておくべき語彙として、
1920年代から30年代中盤に渡り、当時の英語教育の専門家達が、
約500万語からなる当時としては巨大な英語のコーパスを基に、
出現頻度が高いものを約1500語、
そしてそれらとセットで覚えるべき単語や
教育的に覚えておくべきという理由で選定された単語が約500語、
あわせて約2000語からなる英語の基本単語のリストです。

このGSLに収録されている見出し語とその派生語(約1500語)で、
話し言葉の約9割、書き言葉の約8割が構成されていますので、
これらの単語を優先的に学習することによって、
効率よく英語の大部分が理解できる語彙が身につくとされています。

GSLには、1953年にWestがまとめあげた初版と、
1995年にBaumanとCulliganによって修正を加えられた改訂版という
二つの主なバージョンが存在します。
掲載されている単語はほぼ同じですが、
後者の方がより新しめのコーパスを基にして単語の頻出度を測っていたり、
派生語の範囲の定義を明確にしていたりするので、
オンラインでのGSLを使うならば、後者のほうがお勧めです。

GSLのさらに詳しい情報については、
「GSL (General Service List) の紹介と収録単語」
「GSLの初版(West/1953年)と改訂版(Baumann&Culligan/1995年)の違い」
をご覧ください。

単語リスト & 関連サイト

AWL (Academic Word List)

概要

AWL (Academic Word List) とは、
ニュージーランドの言語学者Coxheadが2000年に発表した、
学術的な英語を理解するために重要な、
先程紹介したGSLの次に学ぶべき単語として選ばれた、570語です。

その特徴は、

  • GSLとセットで学ぶ事が前提のため、GSLの単語は入っていない。
  • 特定の分野でのみ使われるような専門用語ではなく、
    様々な分野で使われる汎用的な単語が選出されている。
  • 学術英語の約9%(GSLと合わせると約87%)をカバーしている。
  • 以後に制作された分野特化型の単語集の作成のモデルになっている。

などが挙げられます。

また、GSLのベースとなっているコーパスの年代が古く、
AWLのベースのコーパスが1990年代と比較的新しいことから、
学術的な文脈に関係なく、より新しい時代の基礎単語を
GSLに補っているという側面もあります。

ですので、GSLの次にどんな単語を学ぶか迷ったら、
AWLに手をつけてみるというのは良い選択の一つだと思います。

AWLのさらに詳しい情報については、
「AWL (Academic Word List) の解説と収録単語」
をご覧ください。

単語リスト & 関連サイト

NGSL (New GSL) & NAWL (New AWL)

NGSLの概要

NGSL(New General Service List)とは、
前述のGSLを最新のコーパスを用いて、
2013年にBrowne、Culligan、Phillipsにより大幅に刷新された
2368語からなる現代版の基本英単語リストです。

収録単語数は、word family(ワードファミリー)という
派生語を含む単位にするとNGSLの方が368語多いのですが、
lemma(レマ)という見出し語の派生語は含まず、
活用変化(write, wrote, written, writes, writingなど)
したもののみをまとめる単位に直すと、
GSLが3623語なのに対し、NGSLは2818語と約800語も少なくなります。

NGSLの方がレマ単位だと約800語少ないにも関わらず、
(NGSLのベースになった)約2.7億語のコーパス上の英文の
単語カバー率が90%とGSLの84%よりも約6%も上という優秀さです。

NAWLの概要

NAWL (New Academic Word List)は、
NGSLと同じメンバーによって作られた、
オリジナルのAWLとGSLの関係と同様に、
NGSLの単語を覚えた後に追加して学ぶことで、
学術的英語に登場する単語をより効率よくカバーできる
(NGSLに出てくる単語を除いた)963語の単語リストです。
(単語の単位はNGSLと同様のレマ単位です。)

NGSLとNAWLの単語を合わせて覚えることにより、
学術英語の約92%がカバーできるとされています。
(従来のGSL+AWLのセットの場合は約87%のカバー率。)

一見して分かるAWLとの違いは、
AWLにあったaccessやareaなどの日常的に使われるものの、
GSLの基になったコーパスの年代では頻出でなかった単語が
NGSLに移ったのでNAWLには無いということです。
そのため、NAWLに収録されている単語は、
純粋に学問的な単語の率が非常に高くなっていて、
その本来意図された姿に近づいています。


NGSLとNAWLのさらに詳しい情報については、
「NGSLとNAWLの紹介と収録単語」をご覧ください。

単語リスト & 関連サイト

(上記のリンク先のファイルはどちらも.xlsxファイルです。
新しめのExcelをお持ちでない方は、
無料のLibreOfficeでも見られますので、ご活用ください。)

(NGSL作成者の一人のCharles Brownes氏の経営企業が提供する公式アプリ。
日本語訳と英語音声も付いています。
2015年2月現在では、両者とも価格は無料、iOS 7.0以上に対応。)

まとめ

以上で、英語の重要な基礎単語をまとめた無料のリスト

  • Ogden’s Basic English Word List
  • GSL (General Service List)
  • AWL (Academic Word List)
  • NGSL (New GSL) & NAWL (New AWL)

をご紹介しました。

この他にも同様のリストはまだまだあるのですが、
特段に大きな差があるわけではありませんので、
まずは主流なもの(とこれから主流になりそうなもの)
にとどめさせてもらいました。

また折を見まして、他の単語リストも調査ができ次第、
随時追加してまいりたいと思います。

それでは、また!

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