【音節・音素の発音】英語の発音で学ぶべき6分野(前編)

発音の基礎を英語学習の初期に学ぶのが重要ということは、
多くの英語の教育者や成功した学習者の間でも
意見の一致を見るところとなっています。

当ガイドが考えるその具体的なメリットや理由については、
「発音から英語の勉強を絶対に始めるべき5つの理由」
の記事にて説明いたしました。
しかし発音の学習とは、具体的に一体何を学ぶことなのでしょうか?

その内容については意見が分かれるところですが、
「逆転英語ガイド」では、
「英語の発音学習を始める際に気にかけるべき3つのポイント」
の記事でも既にご紹介したように、以下の6つの要素、

  • 英語の音の単位(音節)の概念
  • 音素毎の発音と発音記号
  • フォニックス
  • 音の変化
  • プロソディ
  • 発声法&トレーニング

がいずれも重要と考えています。

詳細な発音レッスン記事の内容に移る前に
発音学習の全体像を頭に入れていただきたいので、
この「発音」の6つの重要分野それぞれの紹介と、
これらをどういう流れで学ぶべきなのかを
今回から全4回の記事に渡ってお届けします。

今回は、6分野の内の最初の2つ、

  • 音節
  • 音素の発音

について、それらの意味する内容と
発音学習における重要性の理由を解説していきます。

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音節 (シラブル/syllable) の概念

「音節とは何?」

これを厳密に定義しようとすると、
長くなる上に逆に分かりにくくなるので、
ここでは思い切って、

「英語の音を発する&把握する時の最小単位の固まり」

と端的に表わさせてもらいます。

(詳しい定義や他の解釈については、
Wikipediaや”英語 音節”の検索などでご確認ください。)

それでもまだ
「音を発する&把握する時の最小単位って何?」
と当然思われると思いますので、
さらなる説明のために日本語の例で見てみましょう。

一般的に私たち日本人は、
「あ・き・ず・や・ん」のように、かな一文字に相当する音を
日本語の音の最小単位として認識しています。
決して「a, k-i, z-u, y-a, n」のようにさらに細かく、
音素レベルまで分解して発音や聞き取りをしようとは、
普段の会話の時には思っていないはずです。
(音素の説明は次の項にてしますので、しばしお待ちを。)

この、これ以上細かくできない音の固まりが
言語を使っている際に認識している音の最小単位です。
そして、これが英語の場合は、
「音節」 (シラバル/syllable)なのです。
(ちなみに日本語の場合のかな一文字に相当する単位は、
拍(モーラ/mora)と呼ばれています。)

では、英語の音節とは具体的にどのようなものかを確認するために
“beautiful” という単語を見てみましょう。
これも音素単位で分けると、
「b・j・u・t・ə・f・ə・l」のようになってしまいますが、
実際にはそのようには認識されておらず、
「音節」単位で「bju・tə・fəl」のように
まとめて認識されています。

上記のように、各音節は必ず1つの母音を中心に持っています。
その前後に1つまたは複数の連続した子音が
付いたり付かなかったりしますが、
基本的には(そして実際の発音的にも)、
「子音 – 母音 – 子音」が典型的な音節の形です。

大事なことなので繰り返しますが、
英語ではこの「音節」一つ一つが固まりとなって、
日本語における「かな(拍)」に相当する感覚

音が捉えられ&発されています。

このような説明を聞いて理解するだけならば、
それほど難しくはないように思えるかもしれません。
その一見の簡単さゆえに、
「音節」は発音の学習でも軽く見られがちです。

しかし英語の発音学習において、この「音節」という概念は、
発音レッスンの説明を理解する上でも、発音を実際にする上でも、
常に頭と体の両方で把握しておかなければいけないものです。

発音学習の初期から「音節」をしっかりと意識できるかどうかで
学習効率が相当変わってきますので、
覚える内容の分量は他に比べて圧倒的に少ないですが、
重要度においては、他に勝るとも劣らない大事な項目となっています。

音素 (phoneme) 毎の発音と発音記号

音節が言語を使う際の音の最小単位とすれば、
音素 (phoneme) とは、(ある特定の言語内において、)

単独で発する事のできる最小単位の音

と表現していいのではないかと思います。
その言語の母語話者が相当の注意を払っても、
それ以上は分けることができない音の単位です。

それぞれの音素は、r・l・θ・æなどの発音記号により
一対一対応の関係で表すことができます。
(中には、二重母音のeɪやaʊのように
2つの記号によって表される音素もありますが、
記号は2つでも音素としてはあくまでも1つです。)

アメリカ英語では、この音素の数は、
母音で22個、子音で24個日本語の約2倍あります。

これだけの数がありますので、
これらの音素とその発音記号を全てしっかり学ぶのは、
簡単なことではないのですが、

「英語にはこういう種類の音があるんだ」

と、音素のマップを頭の中に作り、
それらをしっかりと区別できるようにすることは、
言語学習に不可欠ですので、避けては通れません。

それぞれの音素をきちんと発音できるようになるためには、
「舌・口・喉・息・歯・唇」などを
日本語の時とはかなり違う感覚で使わなければいけないので、
細かく丁寧に練習していく必要があります。

正直、これはかなり面倒な学習&トレーニングです。
最初の内は頭では分かっていても
口から出せないこともしばしばあり、
イライラもたまってきやすい項目です。

けれど、
「英語の発音学習を始める際に気にかけるべき3つのポイント」
でもお伝えしたように、

「正しい発音のイメージが頭の中に作れたらOK」

ですので、実際に自分で完璧に発音できなくても、
それぞれの音素を区別できさえすれば、
「基礎」の段階としては十分です。

一部の音が最初の頃にうまく出せなくても、
発音以外の学習もしながら少しずつ練習して
最終的に出せるようになれば問題ありませんので、
あまり気負わないように細く長く続けるのが
音素の発音との上手な付き合いかたです。

(音素の)発音と「発音」の違い

「英語の『発音』を勉強する」という時は、
この音素の発音とその発音記号を学習を主にすることを
想像される方も少なくないと思います。
発音学習用の教材のほとんどが
この音素の発音に焦点をあてていますので、
そのように思ってしまわれても不思議ではありません。

しかし、この(音素の)発音は英語でいうところの
pronunciationに相当するもので、
英語の音に関する一項目にすぎません。
もっと広い意味で他の要素を全て含む英語の「発音」と
音素の発音は区別する必要がありますので、
混同されないようにご注意ください。

まとめ

さて今回は、英語の発音学習で重要な6分野の内の最初の2つ、

  • 音節の概念
  • 音素の発音とその発音記号

について、それらの内容と重要性について解説しました。

ここで、もう一度まとめますと、

  • 「音節を知ることによって、音のまとまりを把握する。」
  • 「音素とその発音を知ることにより、
    英語がどのような音で構成されているのかを認識する。」

という重要な役割をそれぞれ担っているということです。

最後に今後の記事の予定を。

次に続く2回の記事で残りの4分野についても2つずつご紹介し、
その後の記事でこの6分野を学ぶ際の流れの一例を
ご紹介していく予定ですので、どうぞご期待ください。

それでは、また!

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