TOEIC 990点取得者が教える誰でもできる直前対策のまとめ

2016年5月29日から約10年ぶりの新形式となるTOEIC。
今回は、少し趣向を変えたコラム的な記事として、
私がTOEICで990点を取った時に行った直前対策の中で、
あまり英語力に関係なくどなたでも使えそうなものを
いくつか選んでご紹介したいと思います。

中には、一般の試験でも使えるようなものもありますが、
あくまでTOEICを受ける際の流れで説明していきます。

簡単にポイントだけをまとめますと、

  • 試験1週間〜3日前:本番と同様の状況で模試をやる。
  • 試験2日前〜前日:とにかく脳と体を休める。
  • 試験当日:食事を試験3時間前に取り、耳を休める。

と、3つの大きなポイントに分けられます。
これらを一つずつ詳しく解説していきたいと思います。

試験を受ける前ではなく、試験中の対策に関することは

にまとめましたので、そちらの方をご覧ください。

Sponsored Links

試験1週間〜3日前:本番と同様の状況で模試をやる

この期間でどうしてもやっておきたいことは、
基本的には一つだけです。

それは、試験の模試を、できる限り本番に近い状況で
最低1回、できれば2回受けること
です。

なぜこれがそんなに重要なのか?
その説明の前に、まずはTOEIC試験日のスケジュールをご覧ください。

  • 11:45~12:30 受付
  • 12:35~13:00 試験の説明・音テスト
  • 13:00~15:00 試験開始~試験終了
  • 15:00~15:15 問題用紙・解答用紙の回収
  • 15:15(予定) 解散

このように、試験の時間だけでも休憩なしの連続2時間
前後の時間を含めると3時間半以上の長丁場です。
2時間連続でこれだけ集中して頭をフル回転で使うということは、
(しかも日曜の昼食後のような時間帯には)中々できない経験です。

このスケジュールに合わせた時に
自分の頭や体がどのように反応し動くのかを知っておくために
試験本番と似た状況で最低1回は模試を解くのをお勧めするわけです。

使う問題は、200問のTOEIC模試形式でさえあれば、なんでも結構です。
できれば、一度も解いたことの無い新しい問題が最適です。
最新版の公式問題集や自分が解いた中で難しめの模試集の
最後の問題をとっておければ、ぜひこのために使ってほしいです。
もし、もう既にやっていない模試問題が無い方は、
できるだけ昔に解いた、内容をよく覚えていないものがお勧めです。

試験の開始&終了時刻を本番と同じにする

さて、ここからはどういう部分を本番に近づけて、
模試を行ったらいいのかについて、説明していきます。

やはり、一番大事なのは試験を受ける時刻を同じにすることです。
そこを同じにすることによって、
試験本番の時間帯に自分のバイオリズムがどう合っていくのか、
ということがよく分かるようになります。

もちろん、試験にかける総時間(休憩なしで2時間)も、
リスニングとリーディングにかける時間配分
(それぞれ45分と75分)も同じにしてください。

本番で意識すべきポイントを確認してから受ける

この直前の模試を受ける前に、
これまでのTOEICの他の模試や学習で
自分が得てきた反省点を一旦まとめてみてください。

そしてそれらの反省点を本番に活かせるかどうかを
意識しながこの直前模試を受けてみましょう。

この反省点は人によって違ってくるとは思いますが、
参考までに私の時のものを挙げてみますと、

  • リスニング問題で分からなかったり詰まったりした時に
    パニックにならないで次の問題へ意識をサッと切り替えること。
  • リーディング問題で時間切れにならないように
    一問ごとのペースをある程度決めておいて、
    それにできるだけ従ってやること。

などでした。

このような感じのポイントを各自でまとめて、
模試の時にも実際にそれらを実行できるか試し、
試験後に間違った個別の問題だけでなく、
これらの全体的なポイントについても
改めて分析&反省してみることをお勧めします。

リスニング問題を聞く時はイヤフォンを使わない

本番でのリスニング環境は、時には大きな講堂にCDラジカセなど
テスト成績に大きな影響を与えるほどに悪い場合があります。
(最近ではだいぶ少なくなりつつはあるようですが。)

イヤフォンでのリスニングは、
ノイズが圧倒的に少なくクリアに聞こえます
ので、
その音質の良さに慣れてしまうと、
本番時に音の環境が悪い場合にかなり苦労します。

ですので、ここも本番にできるだけ状況を近づけるために、
リスニング問題を解く際はイヤフォンを使わず、
PC・オーディオ・ラジカセのスピーカーから音声を流して、
しかも音量を自分がなんとか聞こえる位まで下げてやってみてください。
(さらにギリギリの環境で挑戦したい方は、
スマホ・タブレットの内蔵スピーカーで試してみてください。)
これで耳の準備がだいぶできるはずです。

できれば、他の模試をこの前にやる時も、
イヤフォンは使わないようにしておきたいところです。
そうすれば、スピーカーの位置を
自分の正面、右側、左側の3通りの設置で試す
ことができ、
本番にどの席に座っても対応しやすくなります。

どちらの耳から音が入ってくるかによって、
脳での処理のしやすさが変わってくる
ので、
音を聞く方向というのもかなり重要です。

(更にできることなら、普段のリスニング学習の時から、
イヤフォンを使わなくても済む家での学習の場合は、
スピーカーから直接聞いたほうが良いトレーニングになります。
外でできる数少ない学習の一つのリスニングを
家の中でやる余裕は中々無いので難しいところですが。)

模試前日の夜と当日の午前中も本番を想定して過ごす

後で詳しく説明しますが、試験の前日と午前中の過ごし方も
試験時のパフォーマンスに影響を与えます。

そのため、時間が許せば模試の時も本番と同様に
前日から生活と気持ちの準備を整えて臨んでみてください。

その過ごし方のせいで試験の調子が出ないと思えば、
調整しておく必要がありますし、
問題なさそうならばそのままで安心して試験本番に臨めます。

模試をやる日は1週間前の日曜日がベスト

模試をどの日にやるかに関しては、
絶対この日でなければいけないという日は無いのですが、
やはりベストなのは、本番と同じ日曜日にやることです。

普段の平日からの仕事や学業の疲れ具合の影響を揃えるには、
曜日が同じにするのに越したことはありません。

とは言っても、1週間前の日曜の予定が既に埋まってる場合もあります。
その場合は、その1日前の土曜日。
それも無理でしたら、平日が可能な場合は試験日にできるだけ近い平日。

仕事の都合などで平日は無理な場合は仕方ありませんので、
試験前日には休むという次の対策に反してしまいますが、
試験前日の土曜日にするしかありません。

時間帯だけはどうしても本番と同じにしておいた方がよいので、
以上のような日にちに模試をやることをお勧めしていますが、
もし忙しくてどの日も無理なようでしたら夜の時間帯にして、
試験3日前以前の平日にやるのでも構わないと思います。

一番大事なのは、試験前1週間以内あたりの期間に、
2時間ぶっ続けでTOEIC模試を受ける機会を設けること
ですので。

試験2日前〜前日:とにかく頭と体を休める!

さて、本試験まで2日を切ったら、
一番大事なの頭と体を休めることです。

ですから、この期間は極力勉強しないようにしてください。

どうしても直前まで勉強しておかないと、
不安で仕方がない場合は、我慢しすぎるのも逆効果ですので、
心を落ち着かせるためにも少しくらいの勉強なら構わないと思います。
ただ、新しいことを覚えよう・学ぼうとするのだけは絶対に避けて、
今まで学んできたことを軽く振り返るように、
眺める感じでササッと復習するくらい
に留めるほうがいいですね。

どうしても他に何かやっておきたい気持ちが収まらない場合は、
英語の映画を観てリラックスしつつ、
耳慣らしをするというのも悪くはないかもしれません。
イギリス英語アクセントに慣れるために、
それがよく使われてる映画もいいかもしれませんね。
(ヒュー・グラントやケイト・ブランシェット出演のものなど。)

ただ、これで頭が疲れては本末転倒ですので、
リラックスできる範囲でやってみてください。

そして当然ですが、夜は自分が普通に寝れそうな時間帯の中で
できる限り早い時間に寝ておきましょう

試験前夜は、ドキドキして中々眠れないかもしれません。
そういう時は、自分なりの入眠用の習慣を用意しておくといいですね。
(飲酒は止めておいたほうがいいと思いますが・・・。)
この方法に関してはここで書くことは特にありませんが、
私のお勧めを一つ挙げるとしたら、
寝ながら片足を上げて膝裏を伸ばすストレッチです。

試験当日:食事のタイミングと耳へのケア

いよいよ試験当日にもなるとやるべきことは絞られてきます。

どの試験にも共通して言える

  • 試験場までの行き方は前もってよく調べておく。
    可能ならば一度会場まで実際に行ってみる。
  • 時間に余裕を持たせて起床する。
  • 温度調節をしやすいように重ね着をしていく。

などの基本的な対策ももちろん大切ですが、
ここではTOEIC特有の対策として

  • 試験前の食事の時間
  • 直前の時間の耳へのケア

についてを取り上げてみたいと思います。

(試験を受ける際のテクニックは、
各自の英語力や目標スコアによって違ってきてしまいますので、
今回は割愛して、また別の機会にさせていただきます。)

試験開始時刻(午後1時)の約3時間前に最後の食事をとる

TOEICの試験の開始は午後1時からと
昼食を取るタイミングが難しい時刻となっています。
普通に12時前後に食べてしまうと、
食べた物が消化しきれず、栄養素は頭に行き渡らない上に、
血液が胃の方に回されて眠くなるという
最悪のコンディションで試験を迎えることになってしまいます。

では、いつ頃に試験前の最後の食事をとればいいのでしょうか?
それは、ズバリ試験開始約3時間前の午前10時頃です。

なぜかというと、脳が直接使える唯一のエネルギー源である
ブドウ糖等の「糖質」を供給するデンプン
(もっと具体的に言えば米・パン・麺などの炭水化物食品)
の消化&吸収にかかる時間が約2〜3時間だからです。

参考リンク:

ここから逆算して、脳の集中力が一番必要な
リスニング問題の流れる13:00 ~ 13:45の期間

脳にブドウ糖がしっかり供給されるように
午前10時頃から食べ始めて10時半頃に食べ終わるようにすると、
かなり良い調子で試験に臨めると思います。

消化時間にも多少の個人差はありますので、
ドンピシャというわけにはいかないかもしれませんが、
遅くとも午前11時までには食べ終えるようにした方がよいでしょう。

何を食べるべき?

食べるべき時間帯については自信を持ってお勧めできますが、
食べるものについては特にオススメはありません。

強いて言えば、試験時にはあまり役に立たない脂質は控え、
タンパク質もあまりとり過ぎないようにして、
炭水化物メインの食事にするということくらいです。
これを念頭に、後は皆さんの調子の上がりそうな
お好きなものを食べられるのが一番です。

参考になるかは分かりませんが、
私の場合は、鮭おにぎり・ソーセージパン・あんパン・お茶を
コンビ二で買って食べた程度ですので、
ある程度適当でもよいことがお分かりいただけると思います。

ただ、一つ付け加えるなら、
ブトウ糖の代謝(エネルギーへの変換)に
ビタミンB1が必要になってきますので、
タンパク質をとるなら豚肉か豆類を優先して食べて、
足りなさそうだったらサプリや栄養ドリンクで補給すると
さらによくなると思います。

どうしても直前にお腹が空いたら?

試験開始3時間前に食べたら、
それ以降は飲み物のみにした方がよいのですが、
試験時間が近くなって小腹が空いてくる場合もあると思います。

そのような時は、食べてすぐに糖分を補給できるようなもの
1時間前くらいまでに少しだけ食べておくといいです。
例えば、バナナ・チョコ・アメ・ウィダーゼリーなど。
小麦粉(炭水化物)の多いクッキーやカロリーメイトなどは、
ダメということはないですが、あまり向いていないと思います。

また逆に、早起きが可能でしたら朝6〜7時頃に
一回軽めの(タンパク質が豊富な)朝食を取っておくと、
この直前の空腹も少しは和らぎますし、
10時頃の食事で栄養をいっぺんにとらないで済み、
それほど多く食べなくてもいいので、一石二鳥になります。

利尿作用の高いカフェインを含む飲料は控える

TOEICのテスト中は原則としてお手洗いに行けません。
(仮に行かせてもらえたとしても相当の時間ロスになります。)

したがって、トイレを2時間余裕で我慢できるように
水分補給の量を調節をすることはもちろんのこと、
利尿作用の高いカフェインを含む飲み物、
つまりコーヒー・緑茶・紅茶・コーラなど
少なくともテスト2時間前以降は避けておいた方が無難です。

試験日の食事プランを直前模試の時に試しておく

もう既に何回もTOEICを受けていたり、
他の試験で試験慣れをしている方でしたら、
どんな食事をしたら自分の調子を試験に合わせられるのかを
把握しているかと思います。

しかし、そうでない方の中には、
普段と違う食事ブランを不安に思われる方もおられるでしょう。

その対策として、最初の方で説明した直前模試を受ける日も、
本番で実施しようと思っている食事プランをそのまま実行し、
自分の体で試しておく
ことをお勧めします。

一度やって大丈夫ということが分かっているだけで
心の余裕がだいぶ違ってきますし、
もしダメと分かれば調整することができますので。

テスト当日の復習は「耳」と「脳」をいたわる

先に断っておきますと、私個人としては、
TOEICテスト直前の復習は極力やらない方がよいと思っています。

学校の定期試験のように
範囲があらかじめ決まっているものの場合は、
直前まで学んだことが問われる可能性が高いので、
直前の復習もそれなりの意味があると思います。

しかし、TOEICや大学入試などのように問われる範囲が広く、
かつ試験中での頭脳の処理速度も必要になる試験の場合は、
試験前はできるだけ脳をリラックスさせ、
試験中の脳のパフォーマンスを
最大限に発揮させることに集中した方がよい
と思っています。

けれど、学習スタイルも人によりけりですので、
当日も復習しないと不安を感じる方もおられるでしょう。

そのような不安をコントロールするために、
そして「今まで自分はこれだけ勉強してきたんだから大丈夫」と
自身を勇気づけるためにでしたら、
今まで学んできたことや反省点のまとめ、
試験を受ける際のプランなどを軽く振り返る

というのは大いに有効だと思います。

ただ、そんな復習をする場合でも、
耳はできるだけ使わないようにした方がよいでしょう。
耳慣らしのためにずっとイヤフォンを付けて
復習されてる方をお見受けしますが、
それは場合によっては逆効果にもなりえます。

直前模試の説明でも述べましたように、
イヤフォンから聞こえる英語は、
会場のラジカセなどのスピーカーから流れる英語よりも
ずっとクリアに頭の中に入ってきます。

そんなクリアな英語の音声のイメージを直前まで持っていると、
ノイズの多いテスト本番の音声とのズレへの対応に
より手間取る
ことになると思います。

このような理由で、テスト直前のリスニング復習はお勧めしないのですが、
これもやらないとやはり不安という方は、できるだけ音量を絞って、
ギリギリ内容が判別できるくらいの音量で聞く
ようにしておくと、
頭は多少余計に疲れてしまいますが、
「耳慣らし」という目的はある程度達成できるのではないかと思います。

もし、どうしても直前のリスニング復習をされる場合は、
最新の公式問題集のパート2を中心にやることをおすすめします。
公式問題集を勧めるのは、本番とほぼ同じナレータが使われていますので、
ナレーターのアクセントや口調に慣れるのに最適だからです。
そして、パート2なのは、リスニングだけで問題が解けるのと、
パート2が一番リスニングの「瞬発力」が問われるパートなので、
そのペースやタイミングに慣れておくと役立つからです。

まとめ

さて、TOEICの直前1週間前から当日までにできる対策を
ここまでご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

要点をまとめますと、

  • 試験の3〜8日前の期間に1回は本番と同じ条件で模試をやる。
  • 試験2日前〜当日は極力勉強しないで頭と体をリラックスさせる。
  • 本番当日は試験開始の約3時間前に食事をとる。
  • 試験直前は極力イヤフォンを使った復習をしない。

が大きなポイントとなります。

もし、参考にできそうなことがありましたら、
次にTOEICを受ける時にでも試していただければ幸いです。

それでは、また!

(最終更新日: 2016/06/26)

SHARE
最後までお読みいただきありがとうございます!
シェアやご感想をいただけると励みになります。
FOLLOW
更新情報+αの登録はこちらから
Sponsored Links