今ある学習法・教材では英語の基礎が身につきにくい3つの理由

英語の学習で一番大事なのは、きちんとした基礎を身につけることです。
それによって後の学習効率や到達点に大きな影響を与えるからです。
しかし、英語学習の中でも一番難しいのもこの基礎の習得なのです。

その大きな理由として、

今ある学習法・教材では、基礎が身につきにくい
(中には全く身につけることのできないようなものもある)

ということがあげられます。

なぜ、今ある学習法・教材では、英語の基礎が身につきにくいのか?
その疑問に今回は答えていきたいと思います。

まずは、英語学習における「基礎」とはなんなのでしょうか?

多種多様の答えがありえますが、一つの答えとして、以前の記事の
「英語学習のロードマップを分かりやすくする3つのステージ」では、
現在の多くの学習法・学習者の間の共通とも言える認識を参考に、

「発音」と中学レベルの「文法」「単語」の習得を中心として、
英語の学び方・使い方の基本を身につけるプロセス

とまとめました。
また、それに続くステージとして、

  • 「発展」:国内でもほぼ独学でできる方法で、さらなる知識・運用力をつける。
  • 「実戦」:留学や海外業務などで実際に英語を使いながら総合力を上げていく。

という2つの英語学習ステージを設定した上で、
それらのステージの学習を効率よくこなしていける力をつけることを
「基礎」ステージの学習内容の第一の目標としました。

今回は、その議論の流れを受け継いで、今ある学習法や教材は、
どのように「基礎」を身につけるのに適していないのかを
次の3つの理由、

  • 「発音」の学習&トレーニングが偏っている上に説明不足。
  • 「単語」「文法」の覚え方・使い方に関する考えが従来の受験英語のまま。
  • 次の「発展」ステージにスムーズにつなげられない。

に分けて、一つずつ説明していきたいと思います。

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「発音」の学習&トレーニングが偏っている上に説明不足

英語学習の初期に「発音」の学習が重要だということは、
様々な研究者・指導者・成功した学習者の意見の一致するところです。
しかし、

「発音」の何をどのようにどの程度教えるべきか

についてはまだまだ未確定なことが多く残っています。
「発音」と単に言いましても、その中には

  • 発音記号とそれに対応する各音素の発音
  • スペルから発音を推測できるルールとなるフォニックス
  • リンキングやリダクションなどの各種の音の変化
  • 音の強弱・長短・高低などのプロソディー
  • 英語と日本語の音節の違い
  • 英語を話しやすくするための発声法

などの様々な角度から学習&トレーニングしていく必要があります。

これだけの内容&分量ですから、英語の初心者を含めて、
「発音」にこれまでしっかりとは取り組んでこなかった人に

「これらを全てマスターしないと、次の段階には進めないよ」

と言い放つのは無理がありすぎます。

ですから、学習メニューを考える側が、
どの分野をどれくらい、他の基礎的な文法や単語の学習などと
どう絡めて
教えていったらいいのかと綿密に考えなくてはいけません。

残念ながら、現時点で手頃な価格で販売されている教材で
この問題に総合的に対処しようとしているものは見あたりません。
(もしかしたら高額教材の中にはあるのかもしれませんが、
紹介内容で判断する限りでは、ほぼ無いものと思われます。)

「発音」の説明不足な教材が多い

そして、バランス以前に、各分野の説明においても
不十分な教材が数多く見受けられます。

例えば、音素の発音についての説明。

ネイティブのモデル発音と
その発音をするための1~2ページ(下手をすると数行)の
文章による説明で終わってるものがほとんどです。

発音がかなりできるようになった私から見ても

「この説明だけで本当に発音できるようになるのだろうか?」

と首をかしげたくなるような説明をよく見かけます。

よい説明ももちろんあるのですが、
発音を学習中の人がそれを見分けるのはほぼ無理ですので、
学習者にとってはとても迷いやすい状況であることは変わりません。

このように、現在の「発音」の初期の学習における環境は
整備されているとは言いがたい状況です。
これが今ある学習法・教材では、
英語学習の「基礎」が身につきにくい第一の理由です。

「単語」と「文法」の覚え方・使い方に関する考え方が従来の受験英語のまま

今ある英語学習法の間でよく言われている
学習を始める際にやることとして

  • 「とにかく単語を3000語くらいは覚えないと始まらない。」
  • 「中学レベルの文法は参考書でサッと復習しておく。」

のようなものがあります。

これらは実用性を重視した英語を身につける上では、
かなり遠回りになる「基礎」の身につけ方になると思います。
(TOEICのスコアを短期間の内にとにかく上げなければならない、
というような状況であれば有効な戦略なのかもしれませんが。)

これらの指示がよくない理由は、
単語や文法の何をどのような形で覚え、それらをどのように使って、
英語を解釈したり(リスニング・リーディング時)
発信したり(スピーキング・ライティング時)すればいいのか
ということについてほとんど触れないで通り過ぎているからです。

つまりこれらの方法は、学校で習ったように

「頭の中で『英⇔日』の変換をするというスタイルは変えなくてもいい」

と暗に言ってるようなものなのです。
この「英語 ⇔ 日本語」の脳内翻訳作業はとても負荷が高いので、
このスタイルでリスニング・スピーキングをやろうとしたら
よほど頭の回転が早い人でない限り、行き詰ってしまいます。

「英語回路」や「イメージで覚える」ではダメなのか?

もう少し進んだ学習法では、
「英語は英語のまま理解するように」
「単語や文法などの意味をイメージ的にリンクして覚える」

などのように、だいぶ正しい方向に近いアドバイスをしています。

しかし、これだけでは本当にシンプルな英文しか対応できません。
実践の際にも出てくるもっと複雑な文章にも応用できる
柔軟性のある使い方ができる「型」
具体的な説明にまでは至っていません。

この初期の頃の、まだ知識を蓄える前の「基礎」の時こそ、
後で応用の効く、単語と文法の使い方と覚え方を身につけることが
その後の学習の成果に大きな差を生み出す
重要な時期です。

ですから、これらの「型」をきちんと確実に身につくような方法で
「単語」と「文法」を教えることができていない現状では、
なかなか英語の「基礎」を身につけることができないわけです。

次の「発展」ステージにスムーズにつなげられない

学習効率が一気によくなる「発展」ステージの学習メニューの中には、
ある程度の英語力を持っていることが前提のものがいくつもあります。

具体例を挙げると、

  • 音読/リピーティング
  • 映画・ドラマ・小説などのネイティブ用コンテンツでの学習
  • 英語だけによるオンライン英会話&英作文添削

などと、王道的な英語学習の柱となるようなものばかりです。

しかし、「基礎」の部分がしっかりしていないと
これらのメニューをこなすのにも支障が生じます。

特に最初の二つなどは、「基礎」の段階で
きちんとした「発音」「単語・文法の使い方」を身につけないと、
全くこなせないか、自己流のスタイルのまま行うことになってしまい、
後で大きな問題になる可能性が高いです。

オンライン英会話でも、それらの「基礎」が重要なのはもちろんですが、
それに加えて英語でのコミュニケーションの型のようなものや、
会話をスムーズにつなげるためのフレーズなども
ある程度は知っておかないといけません。

このように「発展」ステージの準備段階としての「基礎」ステージでは、
「発展」ステージのメニューをこなすには何が必要かを考えて、
その条件を満たすためのつなぎとなるメニューも必要
ということです。

これらのつなぎわたしの部分に気を配っている
学習法や教材もほとんど見当たらない現状では、
やはり英語の「基礎」が身につきにくいと言わざるをえません。

現在の英語の「基礎」習得の問題を逆転英語ガイドはどう解決する?

さて、ここまでで、現在よく知られている英語の学習法や教材の
「基礎」ステージに相当する部分が抱える3つの大きな問題点

  • 「発音」に関する学習&トレーニングが偏っている上に説明不足
  • 「単語」「文法」の覚え方・使い方に関する考えた方が従来の受験英語のまま
  • 次の「発展」ステージにスムーズにつなげられない

について一通りの解説をしました。

が、これらの問題を解決するのにはどうしたらいいのでしょう?
これらの問題を解決するためには、当然これを逆にして、

  • 「発音」に関しての初学者にとって
    バランスよく十分な量の解説&トレーニングを用意する。
  • 「単語」「文法」は実際に使うときのことを想定して、
    その使い方と、使いやすい形で覚える方法をセットで教える。
  • 「発展」ステージのトレーニングにスムーズに移行するために
    必要な知識が身につけられるようにすると共に
    予行演習的なトレーニングメニューも用意する。

のようにやっていけばよいということになります。

「逆転英語ガイド」で作り上げていき、
皆さんにお伝えすることになる英語学習の「基礎」は、
このような条件を満たすものとしていく予定です。

これだけではアバウトすぎるかもしれませんが、
もう少し詳しい内容は、これから続く記事シリーズの中で
改めて少しずつご紹介していきたいと思います。

それでは、また!

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